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著作権

CBSがYouTubeを白く塗り始めている

前エントリーで、YouTubeとCBSとの提携内容が後に重要な意味を持つ可能性について書いた。無許諾アップロードを著作権者が事後承諾する可能性を残す画期的なものだと。
しかし、言い換えるとそれはあくまで提携内容から「期待できる」という話であって、その後CBSが実際にどう振舞うのかが重要であった。実際のところどうなのか。
結論から言うと、ここまでのところCBSは予想を超えて革新的で大胆に振舞っている様に見える。これまでの提携企業とは明らかに違う様だ。予想以上にYouTubeユーザのコミュニティを尊重し、好意的に接している。アメリカ三大ネットワークの一角を担うメジャー企業が、ここまで柔軟な姿勢を打ち出せる事が驚きだし、アメリカはやっぱりスゲー国だと改めて思わずにいられない。
個人的に最も興味深い出来事が10月末に起こった。
The Silent Patriotというアカウント名のユーザが,YouTubeにあるコンテンツをUPした。
CBSで放映されたマイケルJフォックスの独占インタビューの映像 だった。
これが多くのアクセスを集め、Most Viewedにランクインする。
そして(おそらく)その数時間後、CBSが同じ内容のインタビュー映像 をYouTubeにUPする。
私がこの2つの映像に気付いた10月27日深夜の段階で、CBSの映像がMostViewedの3位くらいに、The Silent Patriot氏がその前にUPした映像が確か6位くらいにそれぞれランクインしていた。
だから、YouTubeのコンテンツ識別アーキテクチャに頼るまでも無く、CBSがThe Silent Patriot氏のアップロード映像を認識していなかった事は有り得ない。
つまりCBSはThe Silent Patriot氏のアップロード映像を「事後承諾」したのだ。リンク先の映像が今でも見れるのがその証左である。
この様な事例をこんなに早く確認できるとは思わなかった。CBSは著作権侵害行為の取締りよりもそこから生まれるインセンティブの方を重視している事が証明されたと言って良い。なんとも太っ腹ではないか。
提携からまだ一ヶ月足らずだが、今日現在で既にCBSは209もの番組映像を自らYouTubeに配信し、Viewカウント上位20に2~4のコンテンツを輩出している状況がこのところ連日続いている。そして、それらのコンテンツが一般ユーザの映像とフラットに扱われているのも興味深い。CBSもYouTubeの一ユーザとして存在し、名前をクリックすると他のユーザと同様にプロフィールが見れる
“Age: 78″なんてそのセンスが憎い。
これらの状況から察するに、CBSはYouTubeの在り方を肯定し、そのユーザコミュニティを破壊しないように最大限の配慮をしている。彼らは本腰を入れてCGMとの共存を模索しているのではないか。
CBSのこの振る舞いは、YouTubeの「訴訟リスク」にも大きな援護射撃になるだろう。何故なら、「YouTubeは著作権侵害コンテンツを自発的に削除すべき」という主張が説得力を失うからだ。
Napsterの時はレコードレーベル各社が一枚岩となって叩いたからこそ大打撃を受けたが、コンテンツホルダーがバラバラのスタンスである限りそこから受ける打撃も限定される。訴訟リスクそのものはこれからも抱え続けるだろうが、最早YouTubeが著作権問題で存続が危ぶまれる程追い込まれる事は無いと確信する。
それにしても、「YouTube対策強化週間」とかいって3万ファイル削除して喜んでいる日本の状況とのギャップはどうだ。まあ、ハナから期待できないのは判っているから、アメリカとのギャップが広がるのは悪い事ではない。CBSのような新しい発想の芽が花を咲かせて外圧となってフィードバックすれば、日本の状況も面白くなるかもしれない。

「CBSがYouTubeを白く塗り始めている」への4件の返信

著作権はもういらない?

ってなんだろうと考えてみる。
誰かの作ったものを、それを他の誰かが勝手に作ったり、
真似たりできないようにする権利、でいいのかな。簡単に言うと。
労力を使って…

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